SMARTプロジェクト

SMART Project

JAL航空整備士の想いに
応える
システムを創る
「もっと飛行機に寄り添いたい」の
願いをシステムに
空港に到着した飛行機の整備を行う運航整備。その仕事を担う整備士は、限られた時間のなかで完璧な整備作業を求められる。加えて、整備内容を記録し、複数のシステムにデータ入力を行うなど、一機当たりにたいへんな時間と手間がかかる。そこで、整備に必要な情報を現場で入手でき、データの入力もその場で完了できるシステムはできないか、という課題に応えるために始まったのが「SMARTプロジェクト」だ。「もっと飛行機に向き合う時間をつくりたい」という整備士の想いに応え、整備に専念できる環境づくりを目指して、2017年に画期的なシステムが誕生した。

運航整備における効率化を図り、品質のより高い整備を目指すことで、整備士の働き方を一新することとなった。従来、整備の現場では大量の文書と無線のやりとりが必須であったのに対して、新システムではスマートフォンとタブレット端末で情報を共有することで、整備に必要な情報を現場で確実に入手できる。加えて、整備内容の記録もこうしたスマートデバイスで完結できるようになった。これにより、整備業務にこれまで以上に注力できるようになり、働き方が変わったとともに、若手の育成も余裕を持って行える環境が生まれたのである。

Member

  • 航空オペレーション第2部
    プロジェクトマネージャ
    藤 哲次
    1990年入社 工学部
    SMARTプロジェクトのなかで、当社が担当する分野のプロジェクトマネージャとして、JALへの提案から見積、計画工程、実施工程でのプロジェクトマネジメントを担当。
  • 航空オペレーション第2部
    アプリケーションデベロッパー
    植松 大輔
    2002年入社 工学部
    SMARTプロジェクトにおけるシステムの統括リーダーとして、設計から開発の管理、対外ベンダーとの調整などを担当。
  • 航空オペレーション第2部
    アプリケーションデベロッパー
    ※現在は共通サービス基盤部に所属
    岩﨑 英理子
    2018年入社 生命科学部
    新人研修の一環として、OJTにてSMARTプロジェクトに参画。プログラミングの指導を受けるとともに、プロジェクトの進め方などを実地で学んでいる。
「このシステムのおかげで助かった」のひと言に
プロジェクトをリードした達成感

2015年からシステム開発が始まったSMARTプロジェクトは、2017年にスマートフォンとタブレット端末向けのシステム運用が始まった結果、整備士の方々の働き方を劇的に変えるものとなりました。

植松

それまでは整備の仕事といいながら、パソコンでの情報確認や入力など、デスクワークの割合が多いのが現状でしたね。それをスマートデバイスを用いて、整備の現場で情報共有できるようにしたことで、デスクワークの割合を大幅に削減できました。

岩﨑

これによって、年間300万枚以上の紙の書類を削減することが可能になったそうですね。

植松

紙の削減量もすごいのですが、それよりも大きいのは、整備士の方々が整備業務そのものに集中できる時間が増えたこと。システムの完成までには、システム間の膨大なデータの連携などで手こずりましたが、整備士の方々から「これは使えるよ!かなり便利」「整備の働き方が大きく変わった」「作業時間の短縮につながった」などの感想をいただき、苦労しただけのことはありました。

私自身、プロジェクトの目標であった働き方改革について、整備の業務で大きな変化があったことを聞いたり、機体トラブルが生じた際に「このシステムのおかげで助かった」とコメントをいただいたりしたとき、「このプロジェクトに参加できて本当によかった」と実感しました。

岩﨑

整備士の仕事は、何十年にもわたって紙と無線を使って行われてきたと聞きましたが、ベテランの方などはいきなりスマートフォンとタブレット端末に置き換わることに不安はなかったのでしょうか?

植松

私たちも実はやや懸念していたところですが、ふたを開けてみると、若手だけでなく、ベテランの方にも「これいいじゃん!」と積極的に使っていただけました。事前に実施した整備士向けの操作方法教育に注力したこともありますが、おおよそ一週間足らずで世代を超えてほとんどの整備士の方々に定着しました。

海外の拠点によっては、JALの整備士が1、2名しか常駐していないところもあります。その方々が運航整備の責任を背負うのでたいへんなプレッシャーです。今回開発したシステムによって、業務の負担が大幅に減った分、整備業務により専念できるとたいへん好評です。

現場の想いに応えるシステム開発だからこそ、
大きなやりがいを実感できる
植松

スマートフォンとタブレット端末を用いる整備支援のシステムのほか、当社が独自に開発したWebシステムでは、機体の状態の情報を整備士に伝えることで、不具合の発生リスクを事前に知らせ、予防保守を行うことが可能になっています。整備士としても正確な情報をもとに自信をもって業務にあたることができ、より安全な運航に貢献できるわけです。

岩﨑

JALでは、一日に約1,000便のフライトを運航しています。その整備を担う整備士は国内外合わせて約2,500名。その方々の働き方が大きく変わったということで、SMARTプロジェクトの成果はたいへん大きいと思います。

システム開発では、整備士の方々の現場に出向いて、生の声をしっかりうかがい、「もっと飛行機に向き合いたい」という想いをしっかり受けとめて仕事をしました。また、当社のITエンジニアが現場の見学やヒアリングを通して、システムに必要な要件を確実に把握しました。こうした開発姿勢は当社ならではだと思います。

岩﨑

私たち若手としても、ユーザーの想いに寄り添ったシステム開発はやりがいを実感でき、モチベーションが上がります。

植松

SMARTプロジェクトに限らず、当社の仕事はJALをはじめJALグループのユーザーとの共同作業がほとんどです。空の旅を支えるためにそれぞれの現場の業務を熟知した上で、システム開発を進めています。だからこそ、現場に寄り添った仕事を追求できるし、貢献を目指すことができます。これが私たちの誇りであり、仕事のやりがいですね。

成果ややりがいといえば、新システムを通じて、整備士の働き方を改革するということは、整備の時間が十分に確保できることに加えて、これからの時代の整備を担う若手の育成に力を注ぐ余裕が生まれることを意味します。これこそがSMARTプロジェクトの真の目的といえますね。
そして、プロジェクトは現在フェーズⅢという新たな段階を迎えています。今後、整備士の方々の願いをさらに叶えるシステムの開発を進めていきます。

SMARTプロジェクトの成功を糧に
さらにその先を見据えた挑戦へ
岩﨑

SMARTプロジェクトの成果が、JALの枠にとどまらず、世界の航空会社にも広がるといいですね。私もプロジェクトの発展に貢献できるように、一日も早く一人前のITエンジニアを目指していきます。

植松

SMARTプロジェクトの先のことをいえば、IoT(もののインターネット)の時代に突入していくなかで、現場の人にもっと寄り添ったシステム、たとえばウェアラブルなシステムの開発など新しいことに携わりたいと考えています。

意識を高く持って業務に当たれば、新しいことにチャレンジできる会社ですよね。航空業界のあらゆる領域に関連する業務に携われる可能性があると思います。また、ハードルの高いチャレンジで困ったとき、何でも話せて頼りになる仲間がいる会社です。もちろん、男性、女性に関係なく活躍できる職場ですし、子育てをしながらも活躍ができる会社だと思います。

植松

社内を見渡すと、学生時代にITに関わった人もそうでない人も、活躍している先輩たちが数多くいます。自分の専攻に関わらず、「IT技術でJALを変えたい」と願う人が活躍できる場だと思います。

岩﨑

私もITを専攻したわけではないのですが、先輩方のサポートを受けて自分自身の成長を実感しています。いずれ新しいことにチャレンジできるまでに実力を蓄えていきたいです。

先輩の一人として、私も若い皆さんの育成にさらに努めていきます。みんなで力を合わせて、時代の先を見据えたシステムを創りだし、世の中に役立つ仕事を目指しましょう。

ユーザーの声
ユーザーの声
株式会社JALエンジニアリング
IT企画部
松山 隆太氏
※現在は羽田航空機整備センター整備計画部
プロジェクトにおける
JALインフォテックとの連携の様子は?
JALグループの業務に関して、JALインフォテックには豊富な経験と深い理解を持ったメンバーが多数いることから、プロジェクトの初期段階からITに関する面だけでなく、業務の面からも適切な支援や助言を受けることができました。

運航整備業務は、飛行機の運航に関わるため、今回開発したシステムでは、整備データはもとより、運航系システムのフライトデータも連携する必要がありました。その点、JALインフォテックでは、整備系・運航系の両システムの開発や運用を担っていることから、開発内容のすり合わせやテストの実施、移行時期の調整など、プロジェクトのさまざまな面でコミュニケーションを円滑に図ることができました。

システムの開発中に対応の難しい課題が出た際、JALインフォテックのメンバーは利用するユーザー側の業務を詳しく知る努力を常に惜しみませんでした。システムが実際に現場ではどう使われるのか、そのためにシステムのさまざまな制約をどのように乗り越えるか、といった課題についていつも真剣に考えてくれました。
プロジェクトで心がけたこととは?
プロジェクトの目的である「ITを活用した新たな働き方の実現」に向けて、ユーザーの使い勝手や機能性を重視して、日常の業務にフィットするシステムを提供することを強く意識しました。

進化の著しいモバイルの領域では、開発の遅れがシステムの陳腐化に拍車を掛けることから、計画通りにシステムをユーザーに届けること、また届けた後にもタイムリーな改善を続けることに注力しました。