FIRSTプロジェクト

FIRST Project

空港の貨物地区で
働く人の負担を軽減する
システムの力で
国際輸入貨物の上屋業務*1を効率的に
福岡空港で国際輸出入貨物の上屋業務(以下、貨物業務)を行う、福岡エアーカーゴターミナル株式会社(以下、FACTL社)では、取り扱い貨物量が過去最高水準にある一方で、人とスペースが限られるなか、円滑な貨物業務体制の構築が急務となっていた。そのなかで、福岡空港では第2滑走路増設事業が進められており、その一環として貨物地区の移転が行われることになった。この移転を機に、新たな輸入貨物管理システムを導入することで、貨物業務の効率化とサービス品質向上を目指し始まったのが「FIRSTプロジェクト」である。計画段階でシステムの検討を行った結果、ほかの空港で実績のあるパッケージを導入することとなった。
しかし、パッケージの標準仕様のままでは、お客さまであるFACTL社の業務すべてに合わせることは難しい。そこでJALインフォテックでは、FACTL社とパッケージベンダー(開発元)との橋渡し役となり、業務プロセスとシステムのマッチングに関するフィット・アンド・ギャップ分析を実施。FACTL社の貨物業務において求められる機能を洗い出したうえでシステムの要件定義を行った。

また、開発フェーズにおいて、JALインフォテックは業務知識とITの知見をもとに、パッケージがお客さまの業務内容に沿った機能であることを検証。それとともに、導入に向けて品質や納期の管理を行った。この結果、貨物業務の大幅な効率化につながったほか、現場で働く方々の業務の品質向上と負担の軽減に貢献することとなったのである。

*1 上屋(うわや)業務は、空港で国際輸出入貨物の荷捌き、取り降ろし・積み込み、保管などの貨物取り扱い全般を行う業務のこと。

Member

  • ビジネスソリューション部
    プロジェクトマネージャ
    ※現在はデジタル開発推進部 グループ長
    今井 陽太郎
    2001年入社 理工学部
    「FIRSTプロジェクト」のプロジェクトマネージャ。パッケージ製品である輸入貨物管理システムの導入に際して、QCD(品質・コスト・納期)に責任を持ってプロジェクト全体の管理を担当。
  • 航空オペレーション第2部
    プロジェクトマネージャ
    當眞 嗣正
    1992年入社 情報処理技術科
    プロジェクトマネージャの補佐役であるPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)として、パッケージの導入に向けた課題の解決や、品質の管理、組織のコーディネートを担当。
  • JAL IT推進企画部(出向)
     
    東 正紘
    2005年入社 理工学研究科
    貨物システムおよび開発業務に関して、長年にわたって培った豊富な知見をもとに、パッケージの仕様の精査や、ベンダーから納品されたパッケージの各機能の品質検証などを担当。
空港に到着した生鮮食品や生花などを
荷主さまに一刻も早く渡したいという想い
今井

当社のビジネスは、JALグループの安全で快適な空の旅を守るためのシステム開発が第一。しかし、それだけにとどまらず、JALグループ以外のお客さまの業務にも幅広く貢献しているところが特徴です。「FIRSTプロジェクト」もその一環の取り組みで、海外から空港に届いた貨物の受託・搬入から蔵置、搬出までを支援することが目的でした。

當眞

毎日、膨大な数の貨物が到着している状況で、貨物情報の確認や貨物の倉庫への搬入、そして荷主さまへの引渡しをいかにスピーディーに行うかが大きな課題になっていましたね。

福岡空港では、海外からの貨物を、成田空港などを経由して到着する場合も多く、どうしてもその分、時間がかかってしまいます。 また、生鮮食品や生花など生ものは一刻も早く荷主さまに渡す必要があり、貨物業務の効率化が必須でした。

今井

特に現場の負担になっていたのは、通関手続きに必要な貨物情報の入力作業。その手続きではNACCS(ナックス)センターと呼ばれる輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社との情報のやりとりが必要なのですが、貨物の量が増えるなかで、情報の入力作業が現場で働く人にとって大きな負担となっていました。これをいかに解決するかが、「FIRSTプロジェクト」の重要な目的でした。

當眞

また、NACCSセンターのオンライン手続きシステムが新たなものとなるなかで、その対応も求められていました。

今井

システムのポイントは、NACCSセンターとのデータ連携によって、貨物作業の現場でスマートデバイスを通じて作業に必要な情報を入力できるようにしたことです。また、事務所と現場の情報も連携することで、必要な情報をリアルタイムに確認できるようにしました。

當眞

これによって、現場で作業する方々の負担が大幅に減りましたね。また、作業がより正確になり、貨物の搬入から引渡しまでの時間が短縮されました。

豊かな人間関係のなかで、
開発メンバーが力を合わせるから
優れたパフォーマンスを発揮できる
今井

「FIRSTプロジェクト」では、密接な提携関係にあるベンダーのパッケージを活用することとしました。JALグループですでに導入実績があったからです。システム開発は何でも一からつくれば良いものではありません。今回のようにパッケージを導入した方が便利なことがあります。

パッケージの導入というと、アプリケーションソフトをインストールして終わりといった印象を持たれるかもしれませんが、今回のプロジェクトのような大規模システムでは、そう簡単ではありません。肝心なことは、輸入貨物に関する業務の流れと課題を正確に把握するとともに、課題の解決に向けた取り組みが重要です。それがパッケージのカスタマイズでした。

今井

カスタマイズにあたっては、フィット・アンド・ギャップ分析を事前に行いました。これは、業務プロセスと導入するパッケージを比較して、システムの機能が合致しているかを分析する作業です。これによって、機能として足りない箇所を補うなど、完成度のより高いシステムを目指すことができます。

當眞

システムを一からつくるスクラッチ開発にしても、パッケージの導入にしても、当社の強みはシステムを利用するお客さまの業務に精通し、常にお客さまの立場で考え、ものづくりを進められる点です。加えて、システムを導入して終わりではなく、現場にどのように浸透させるかといった取り組みまで責任を持って行う点が特徴といえます。

お客さまの業務をよく知っているからこそ、システムの導入前のテストにおいてもお客さまの目線で行うことができます。だからこそ、信頼度が高いといえます。

當眞

また、チームで品質のより良いシステムを追求するという風土が当社にはあります。豊かな人間関係のなかで、互いに意見を出し合い、互いに仕事をカバーし合うという動きが自然にできています。今回のプロジェクトは、限られた時間のなかでの取り組みでしたが、メンバー全員が力を合わせて優れたパフォーマンスを発揮することができたと思います。

AIやRPAなど最先端のITを活用し
お客さまの夢を叶えるITサービス提供を目指して
今井

「FIRSTプロジェクト」では、福岡空港における貨物施設の移転への対応という課題もありました。そのため、貨物業務を支える新システムの導入とともに、新施設におけるネットワーク環境構築も重要な課題でした。その点、当社はネットワークの配線工事や監視カメラの設置など、ITの周辺領域での対応も可能でした。この総合力もまた当社の強みにほかなりません。

社内における人間関係の良さ、チームワークで成果を追求する風土、より良いシステムを目指すものづくりの姿勢。こうした数々の特徴はお客さまだけでなく、パッケージベンダー、さらにはNACCSセンターなどシステムの連携に欠かせない第三者の方々との信頼関係を築くうえで、たいへん重要です。システム開発を取り巻く人と人の結びつきが良いからこそ、より良いシステムを生み出すことにつながるとともに、当社で働くことでのやりがい、達成感につながっています。

今井

「FIRSTプロジェクト」では、お客さまの立場を考えることの大切さをあらためて実感しました。ITに関わる仕事というと、何でも最先端の技術を使っていると思われるかもしれませんが、技術はあくまでツールです。最も大切なことはさまざまなツールを駆使して、お客さまの困っていることを解決することです。
今後もプロジェクトマネージャとして、チームワークや人間関係を大切に、どんなに難しい案件であっても、社内外のメンバー全員が仕事にいきいきと楽しく取り組める雰囲気づくりに努めていきます。それが結果的にお客さまに貢献できる仕事を生み出すとともに、メンバー全員が仕事にやりがいを持ち、成長を目指していくことにつながると信じています。

當眞

私は現在、新たなプロジェクトのマネージャとして、開発チームを率いています。情報システムの世界では、AIやRPAの導入に向けた動きが加速しています。こうした分野の技術を的確に把握したうえで、お客さまの業務の効率化、省力化に役立つ仕事をしていきたいと思います。

私はJALに出向しており、お客さま目線で情報システムはどうあるべきかを構想・企画する仕事に就いています。
航空運送事業を支えていくうえで、情報システムの重要性がさらに増すなか、お客さまに時代の先を見据えたITサービスを提供できるよう、努めていきたいと考えます。

今井

これから先、先進のITを追求するなかで、お客さまの目線をあくまでも大切にしたシステム開発を目指し、世の中に貢献していく。この使命は変わることがないですね。社員一人ひとりが持つ知識や技能を活かして、社会への貢献を成し遂げていきましょう。

「FIRSTプロジェクト」における
パッケージベンダーの声
「FIRSTプロジェクト」における
パッケージベンダーの声
株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
関西ソリューション本部 第1部
石田芳治氏
営業統括本部 第4営業本部 第1部
小谷真紀氏
石田

JALインフォテックのプロジェクト管理がしっかりしていたことから、当プロジェクトは対応しやすい案件でした。パッケージの導入は、導入先のお客さまの業務や事情に適合させるのが重要です。その点、JALインフォテックのメンバーはお客さまの業務に精通しており、プロジェクトの進行がスムーズでした。また、チームワークの良さも際立っていると感じました。人と人のつながりを大切にする会社だからこそ、どんなにハードルの高いプロジェクトでもやり遂げることができるのではないかと思います。

小谷

JALインフォテックからは、当プロジェクトのほかにも、航空分野に限らずさまざまな業種の案件について協業の相談をいただいています。JALインフォテックがこれまで培ってきた航空系ITの技術やノウハウと、プロジェクトマネジメントの実力が多方面で評価され、社会貢献の幅がますます広がっていることを実感しています。