山梨県

4,500台のPCすべてを一元管理
500時間かかる工数を12時間程度に短縮

山梨県 総務部 情報政策課

いまや世界遺産となった富士山を望む山梨県。
同県は、IT資産管理ソフトウェア「PalletControl」を2003年に導入し、
2019年にはWindows10搭載PCへの更新とあわせ、
最新版にあたる「PalletControl 9」へとバージョンアップを行います。
山梨県が長年にわたり PalletControl を利用し続けている背景について
詳しく伺いました。

導入前の課題

柔軟な対応が求められるシステム管理の現場
かゆいところに手が届くツールの必要性

2003年から PalletControl をご活用とのことですが、当時の課題と導入の経緯について、お聞かせください。

山梨県 総務部 情報政策課は、庁内のネットワークやPCの管理のほか、それらのセキュリティ対策といった情報通信基盤の管理や運用を担う部署です。
各部署の業務が円滑に進むようシステム面を支える縁の下の力持ちのような存在を担っています。

本県では2003年に「電子自治体構築に向けての基本的方針」を策定しました。
その方針を実現するにあたり、まず情報システム基盤の構築に取り組みました。

2004年には、Windowsのアップデートやパッチの適用、業務用ソフトの配布を適切かつ迅速に行うため、PALLET CONTROLを導入しました。
同製品を採用した背景は、目的や用途、ユーザー環境に応じて柔軟な配布や設定変更を自動で行える点が採用の決め手だったと記憶しています。

その後、2009年のPC更新にあわせ、PalletControl を当時の最新バージョン「PALLET CONTROL Ver. 5.0」にバージョンアップしました。

導入の経緯

IT資産管理での利用を進めると同時に
ユーザー管理も一括して行えるように

2014年に 2度目のバージョンアップをされたそうですが、
その際の経緯をお聞かせください。

PalletControl の持つ配布機能は、それ単体でも非常に価値ある存在です。
導入以来、2度のバージョンアップを行いましたが、それまでは配布機能以外の機能をあまり活用できておらず、非常に“もったいない”と感じていました。
そこで、2014年以降は IT資産管理の面でも利用を進めるとともに、セキュリティ対策面の強化も目的に、PC操作ログ取得ソフトウェア「PalletControl with InfoTrace」を追加導入し、ユーザー管理の更なる強化を図りました。

2003年から長きにわたり PalletControl を
使い続けている理由はなんでしょうか。

一言で言うと他の資産管理ソフトと比較し、「かゆいところに手が届くから。」ですね。
一般的な資産管理ソフトでも、各ユーザーPCに対し Windows や業務ソフトのアップデートを適用することはできますが、PalletControl は、さらにもう一歩踏み込んだ対応ができたのです。

例えば、権限代行によるサイレントインストールなどです。
他にもネットワークの細い出先事務所などについては媒体を利用したプログラム配信もできることに加え、スクリプトを自ら作成することで個別ソフトウェアの設定変更などにも対応できるなど、その柔軟性には一目置いています。

セキュリティ面を留意した運用という点で、本県は設定変更の権限をユーザーには与えていません。
これは、問題発生後にルールを設け再発を防止するといった後手の対応を前提とする運用方針では適切と言えないと考えているからです。
この視点からも PalletControl は権限の制御も細かく管理できるので、セキュリティに配慮した運用を行う上でも不可欠な存在になっていました。

一方で、主要機能の1つである配布機能については、最近のバージョンまで惜しいと感じる点もありました。
例えば、下位バージョンになりますが「PalletControl 7」までは、Microsoft が提供する WindowsUpdate の管理ツール「WSUS」とは連携していませんでした。

反面、OSや主要な業務ソフトの更新プログラムに関して、それらを自動配布できる PalletControl の専用プログラムをサポート契約締結中のユーザーに対し無償提供するサービスがあり、これは PalletControl を利用するユーザーにとって、ありがたい仕組みです。

ただ、このサービスは業務ソフトメーカーが更新プログラムを提供開始した後、JALインフォテックがそれを配布するための専用プログラムを作成する時間も必要となるため、我々ユーザーに専用プログラムの提供が開始されるまで、多少のタイムラグが生じるという短所もありました。
これを補う意味でも、WSUS連携には以前から期待していたところです。

本県が管理する約4,500台のPCすべてに対して、2019年3月までに最新バージョン「PalletControl 9」を展開する予定です。
このバージョンでは、これまでの長所はそのままに、いくつか改善が図られたものとなっていますね。
WSUSとの連携はもちろんのこと、Windows 10 のアップデートにも対応しています。
また、予てから要望していたIPアドレスでしか指定できなかったヘルプデスク機能がクライアント名の指定でアクセスできるようになり、AD(Active Directory)と連携してグループや属性などの情報を取得することも可能となるなど、新しい PalletControl を活用することで PC運用管理業務の効率化が図れると期待しています。

導入の効果

500時間ほどかかる工数を半日程度に短縮

長年、PalletControl をご活用になり、
どのような効果をお感じですか。

先日PC1台に対して、あるソフトウェアをインストールしたところ、その作業に5分ほどの時間を要しました。
この作業を管理対象のPC全てに対し行うとしたら、準備や点在する出先への移動時間を含めると、ざっと計算しても約500時間かかってしまいます。
PalletControl は、このようなケースでも工数の削減に寄与してくれるため、この例では準備や確認を含めて全体で半日程度で済みます。

庁内のみならず、県内各所に点在するPCもネットワーク経由で一括管理できることを考えると、メリットは図りしれないですね。

JALインフォテックから受ける日々の提案やサポートには、我々の課題をなんとか解決しようと考え協力してくれる姿勢を強く感じています。
今回の更新においても数多く提案をいただきました。
例えばこれまでのユーザー管理方法を見直し、ユーザーIDを職員に紐付けるかたちに変更をしましたが、この変更に際してプロファイルの整理を PalletControl で効率よく行う方法を提案いただき、作業効率を改善できました。
一方で、相談する課題の内容によっては、要件のヒアリングや検証作業など解決策を提案いただくまでに時間を要するケースもありましたが、この点についてはJALインフォテックとのコミュニケーションを密にすることで双方が協力して解決を図りたいですね。

それと、これは余談ですが、本県ではプロファイルデータに特殊なカスタマイズを施しています。
その運用にあたり、情報管理の最適な方法を模索検討していた際、PalletControl に直接関係する分野ではないにも関わらず、JALインフォテックが社内メンバーに情報共有して対処方法を提案してくれたことで課題を解決することができました。
導入しているツールの枠を超えた部分であることを承知の上で我々が困っていることに親身になって対応いただいたことに非常に感謝しています。

今後の展開

これからも PalletControl を共創していきたい

PalletControl は、PCの管理や制御、利用者に対するサポート業務の効率化や精度向上を支援し、システム管理業務の負担やコストを軽減してくれるツールです。
山梨県とJALインフォテックは、そのツールを利用するユーザーとソフトやサービスを提供するメーカーという関係に過ぎないかもしれませんが、これまで長年にわたり当県のPC運用管理における課題に対し、共に悩み解決してきた背景を踏まえると、JALインフォテックには山梨県を、PalletControl を共創してきた仲間として見ていただけるとありがたいですね。

現在の良好な関係が相乗効果となり、PalletControl がさらなる進化を遂げることを今後も期待したいところです。

15年にわたり PalletControl を利用する過程で、評価できる点や改善してほしい点など、さまざまな意見を、時には厳しくJALインフォテックに対しぶつけてきました。
しかし、それはJALインフォテックに対する期待が非常に大きいことの現れだと思ってご容赦ください。
長く使うソフトウェアとして、これから先もより良い関係を継続していければ幸いです。

山梨県
総務部 情報政策課
課長補佐
矢崎 孝 氏

山梨県
総務部 情報政策課
情報通信基盤管理担当
副主査
高野 善博 氏

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古来より人々を魅了し続けている霊峰富士の麓にあ る山梨県。美しい自然だけでなく、日本屈指のワイン 産地であったり、フルーツの名産地であったりなど、さ まざまな魅力を楽しめる地域です。

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